「さつまいも」のブランドは、あてになるか?
これは飛び切りおいしい、とある種の≪ブランド≫として世間にありがたられる「さつまいも」が時に登場します。
「幻のさつまいも」などと騒がれることもあります。
でも、その時ひっぱりだこの「幻のさつまいも」が、次の年もまた同じように、その味わいなるかというと、残念ながらそうでもないことがあります。
雨の降り具合や気温の変化など天候は毎年変わります。
その自然の影響を受けて育つのが野菜です。工場で作られる製品のように、同じものを「一定の規格」で作り続けることはできません。
だから、その時その時の産品をよく見ないといけません。
ブランドをあてにしているととんでもない失敗をしてしまうことがあるのです。
お客さんの要望に合わせた味と値段のものを安定して供給するというのが、プロとしての仲卸の腕の見せどころでもあるんです。
値段が上がったり、下がったり。
相場の世界は、難しい。
産地から届く「さつまいも」は、天候や産地の事情により数量や味に変動があります。
たとえば、ある週はひとつ200円の仕入価格だったものが、次の週には300円にまで跳ね上がったり、倍近い値段になることさえあります。
それが、「相場」の世界です。
スーパーに行けば、季節を問わずいろんな野菜が並んでいます。旬の時以外にも、欲しい野菜がいつでも並んでいることが当たり前のようになってきました。
お得意さんのお店に安定的に商品が並ぶように、商品の手当てをするのが私たち仲卸の役目でもあります。
産地の農家さんを訪ねることもあります。
畑に行って生産者さんにお願いして土や堆肥の「味見」をさせてもらいます。
おいしい作物は、よい土から生まれます。良い土をちゃんと作る人が、良い野菜を作ってくれます。
野菜作りに情熱を持っている人たちとの良い関係づくりこそ、野菜選びの一番の仕事です。
季節を問わず、おいしい「さつまいも」が欲しいというお客さんもいます。値段が少々高くてもそういうものを必要とされるところがあるんです。
お客さんの要望に合わせて、安定して、よいものを提供し続ける。これが目利きとしての腕のみせどころでもあります。
焼き芋屋さんなんかもそのひとつです。
そんなお店さんにも対応できるように、「目利き、味きき、舌利き」でおいしい「さつまいも」をいつでもご提供できるようにするのも、われわれプロとしてのやりがいです。