おいしい魚をいただくには「丸のまま」
旬の魚が美味しい理由に脂が乗ってるというのがあります。
天然の自然なうまみです。
もちろん、養殖魚でもうまいのがあります。これを見つけ出すのも私らの大事な仕事のひとつです。
相場の変動に惑わされずに、魚そのものをみて、美味しいものを見つけ出す。
ここが目利きの力の発揮どころ。
そのほんまにうまいもんを、魚のおいしさのわかる人にお届けする。それが漁師さんへの感謝でもあると思うてます。
魚まるごと1匹見てると分かるのです。
たとえば養殖の鯛。1匹で1.2k~1.3キロぐらいの大きさでうまいのが見つかりやすいです。だから、おいしい魚を食べるには、「まるのまま買う」これも大事なポイントです。
調理方法によっても、味わいが変わります。
天然の鮮魚は、煮つけをするとそのうまさがグッ!と分かります。
私はそれを知ってもらいたくて、「お魚の料理教室」のお手伝いもさせてもらってます。
やっぱり、魚を食べることが大好きです。
朝のセリ場で魚を見ていて、「あーこれ、うまそうやな」と、猛烈に食欲をそそられるものがちょくちょくあります。
得意先さんに力を込めて、オススメの魚を選ぶのと合わせて、自家用に「我が家」に魚を持って帰ることもよくあります。
たとえばサンマ。
まさに今の旬のサンマは、脂が乗ってほんまに美味しいですが、大きいものや小さいものまでいろいろあります。
寿司屋さんでは、にぎりにできるような大きいものが求められるので自家用には小さいものを買います。
冷凍技術が進んで、旬に限定されずにいつでもいろんな魚が食べられます。街のお店では、「冷凍もの」が解凍されて並べられていることもあります。旬にしばられずに、お魚が食べられるという「ぜいたく」をしています。
旬という自然の恵みを味わう「ぜいたく」もぜひ覚えておいてほしいです。
実は、これがお買い得。
旬はうまい。
大漁なので安い。
うまいもん食べたかったら、自然の流れに合わせること。
これ、「市場で見つけるうまいもんの法則、その1」です。
「まるごと」の魚で、ちょっと料理の手間をかけてやれば、言うことなしです。
商売の原点を思い起こさせる喜び
商売やから、「ようけ売って、ようけ儲けたい」
大手のお店さんとの取引も大事です。
でも魚好きの人に魚の良さをわかって仕入れてもらうのも、魚好きの私としては、商売の原点を思い起こさせる喜びがあります。
プロのご商売人さんは、ぜひ、朝の市場に来ていただいて、その日の「お買い得」を仕入れてください。 それをお客さんにおすすめしてもらえたら、きっとお店の繁盛のお手伝いができると思います。 どうぞ、魚を見に来てやってください。
一般のご家庭の方へ
ひと目見て、「これ、ぜったいうんまい!」
ぴーんときた一匹、自家用に持って帰る。
これがあるから、やめられない。
仕事でお客さんへの仕入をやっていますが、正直言うと自分が食べたい魚を探している面もあります。
たとえば、旬のツバス。
目をつぶって食べたら、そのとろけるうまさに我を忘れる。
「もっかい、食べたい!」「あれ、うまかった!」
そんな声を待ってまっせー。
「完」