甲子園球場の約5倍の敷地(201,351平方メートル)には、野菜、くだもの、生鮮水産物、冷凍水産物、加工水産物を扱う合わせて143社の「卸」業者や「仲卸」業者がいて、毎日3,000人が働き、年間(平成24年度)約28万トン(青果:22万8千トン、水産物:5万3千トン)、取扱金額にして922億円の食品を府民に供給しています。
大阪府中央卸売市場の主な機能は、食品の安定供給のほか、場内の食品衛生検査所が行う食品の品質管理(安全・安心)、場内の業者間や“せり”などの仕入取引による迅速・公正な価格の形成と安定化、生産・流通及び消費に関する情報の収集・提供など多岐にわたり隣接する加工食品卸売市場と一体となって、『府民の台所を支える総合食品供給基地』の役割を果たしています。
仲卸
大阪府中央卸売市場には「仲卸」という業種の人たちがいます。
彼らは「卸」業者を通して生産地や水揚げ港から野菜やくだもの、魚を仕入れ、それをスーパーマーケットや飲食店など、大小の小売り業者に販売しています。
ときどき、テレビのニュースなどで見かけるマグロの“せり”などは、その仕入れ方法のひとつです。
自然の恵み
産地から買い付けた食材を小売り業者に卸すだけというと、
一見、簡単なことのようにも聞こえます。
しかし、野菜や魚は工場で生産する工業製品ではありません。すべて山や川、海からいただく自然の恵なのです。
天候が不順になれば作物は育ちません。海が荒れれば漁に出ることはできません。
豊作や豊漁があれば不作や不漁がある。
日々当たり前のように繰り返している私たちの食生活は、実は絶えずさまざまな要因に影響される不安定な需給のバランスの上に成り立っているのです。
中央市場と「仲卸」
中央市場と「仲卸」の大きな役割は、自然やときに人為的な出来事によって左右され、不安定になる食材の供給をいかに安定させるかということです。
そのために「仲卸」は、巨大な倉庫に仕入れた野菜を備蓄することがあります。
また冷凍庫で長期間、魚を保管することもあります。
つまり先を読んで食材の流通を調整するのです。
そのおかげで不作や不漁のときでも、私たちの食卓から食べ物が消えることがなく、私たちは安心して食卓を囲むことができるのです。
本当のプロフェッショナル
「仲卸」には親子二代という人がざらにいます。
二代どころかお祖父さんの代から三代という人も珍しくありません。
彼らは天下の台所・大阪の食を代々、守ってきた人たちなのです。
野菜や果物、魚の安定供給は言うに及ばず、安全安心な品質管理、値段の安定も「仲卸」がいればこそ。
そして、なによりも美味しいものにこだわりをもち、ときには野菜の生産地や魚の水揚げ港にまで出かけて消費者をあっと驚かせ喜ばれる食材を発掘します。
ただたんに食材を売るだけでなく、「仲卸」は大阪の食文化を支えることに責任と使命感をもち、それを生きがいにする食のプロフェッショナルたちなのです。
当サイトは大阪府中央卸売市場の食材を一般の皆さまに向けて販売するだけでなく、そこで働く食のプロフェッショナル「仲卸」のこだわり、熱い思いを同時にお伝えしていきます。