旬の時は、安くて、うんまい!
時々、目をひんむいてびっくりするほどおいしい魚が、手に入ります。
日頃から、セリで魚を見る目をきたえてると、ピッ!と分かります。
仲卸の仕事で「キロなんぼ」という魚の大きさや目かたばかりに気を取られてたら、 板前さんやそのお客さんをうならせ喜ばせる魚を見つけ出すことがおろそかになります。
良いもんを求めている人に届ける私ら仲卸のプロとしての責任やと思います。また、魚好きには、そこがやりがいでもあります。
鮮魚というのは、獲れたてがお店に並びます。
漁師さんが獲ってくれたものが並びます。
海が時化(シケ)ていたり、台風が近づいていて漁ができない時には、市場への入荷量も減ります。
市場は相場で成り立っていますから、量が少ないと値段が上がります。
昨日まで1キロ1,500円ぐらいだったものが、今日は2倍の1キロ3,000円に跳ね上がることもあります。
スーパーの折り込みチラシで、「いくらで売ります」と広告していても、 お天気次第で値段が変わるから、天然の鮮魚がスーパーのチラシで特売対象になることは、まずありません。
でも、それをそのままお客さんの仕入に響かせないように、取扱量や売り先の調整などいろいろ手をつくして、 安定的に商品を手当てするのが仲買の腕のみせどころでもあります。
一般の人にはなかなかわかってもらえんやろけど、ここが中央卸売市場の機能のすごいところかもしれません。
ものにはなんでも旬がありますが、旬の時期は大漁にとれることがあるので、これも相場を左右します。
旬の時は、安くて、うんまい! のです。
旬の時のサンマやさば、それに脂の乗ったヨコワや太刀魚。食べないと損です。