第一弾!初夏の三陸海岸をレンタカーで疾走(2)・・・旨いもの(Ⅱ) byまいく
2013.06.11|
海の幸の宝庫・金華山
山なのにサカナがいっぱい獲れる山があります。
ご存知の方も多いと思いますが、
宮城県の牝鹿(おしか)半島の沖に浮かぶ
小さな島の名は金華山(きんかさん)。
この島の周辺は、黒潮(暖流)と親潮(寒流)が
ぶつかる珍しい海域で、
魚や貝の餌になるプランクトンが豊富なため、
日本有数の漁場といわれています。
この金華山周辺にかぎらず、三陸の海は
沖に出ればサンマやカツオに鯛、マグロ・・・
沿岸ならウニ、ホヤ、鮑、牡蠣、ホタテ、ワカメなどなど
多種多様な魚介類を育む、海の幸の宝庫です。
しかも近海で獲れるから、朝、陸揚げした魚が、
その日のうちに、お店や家庭の食卓に上る。
魚屋さんには、まだピチピチはねてる魚が並びます。
しかし、そんな海の幸の宝庫も、
いたるところに大津波の傷跡が
生々しく残っています。
漁業の復活に、三陸の人々の暮らしの再建がかかります。
嬉々として寿司を食う
魚が旨い土地に来れば、当然、寿司を食べるしかない!
ということで、2日目の夜は矢本で店を構えて
10年ほどになるという「吹き寄せ寿司」さんへ。
ここのご主人、東京・新宿で修業を積み、その後
銀座で寿司を握ったという寿司マイスター。
わざわざ仙台あたりからも、お客さんがやって
来るそうです。
こういうお店のもうひとつの楽しみは、目の前で
寿司を握ってくれる大将から、地元の話を聞くこと。
とても気さくな方で、カウンターの客が僕一人と
いうラッキーな状況もあり、この夜は1時間半、
大将の握る寿司とおしゃべりを堪能しました。
では、ここからはこの夜食べた旨いものをメドレーで…
まず、しめ鯖(大阪では“きずし”ともいう)。
大将は、「このあたりのサバの旬は秋口。
今の時期は、まだ脂がのってないので、
お薦めではないです」と、正直です。
でも、しめ鯖好きの僕には、十分、楽しめる一品。
酢の加減もくどくなく、オードブル感覚でいただけました。
次は焼き魚で、つぼ鯛の塩焼き。
ご覧のとおり、ぷりぷりの白身ながら
脂もしっかりのってました。
ここで、大将が、「これ召し上がってみてください」と
サービスで出してくれたのが、これ↓・・・
ほや です。
三陸では、ポピュラーな珍味で、
生簀から出したホヤを水洗いせず、
切り身をそのままいただくと、
口いっぱいにほんのりしょっぱい
磯の香りがジュワ~と広がります。
こりゃあ日本酒を飲むしかなかろう・・・
と、酒のリストを見ると、
もっきり
という聞きなれない銘柄が。
これは、ご当地のブランド酒に違いないと、
「この、もっきりをください」と注文すると、
くだんの大将、
「そのもっきりって、酒の銘柄じゃなくて、
このあたりでは、なみなみと注ぐという
意味なんです」と苦笑。
そして、いよいよ・・・
三陸でいただく初めての“にぎり寿司”
心がときめきます~
まずは、焼き穴子
甘めの醤油ダレとあいまって、口の中でとろけました。
ほかに、近海もののヤリイカやマグロ、
特産の“ふのり”がたっぷり入った、
赤だしもついてました。
これだけ食べて、飲んで、おまけに話を聞いて、
この夜のお勘定は5千円そこそこ。
こんな寿司屋が家の近所にあればな~~~
まだまだ食べたいけど、これ以上食べると、
明日以降の胃袋のコンデションが心配。
というわけで、後ろ髪をひかれる思いで、
「吹き寄せ寿司」さんを後にしました。
美味しいお寿司に楽しいお話、
ごちそうさまでした。
ところで皆さん。
今回のレポートのテーマは、
「食べること」だけではありません。
東日本大震災から2年3ヶ月、
次回は、僕がこの旅で見た、
三陸海岸の今をお伝えしたいと思います。